会社概要
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法人名 | 株式会社 丹波姫もみじ |
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代表取締役 | 柳川瀬 正夫 |
所在地 | 〒669-3572 兵庫県丹波市氷上町谷村1812-10 |
電話番号 | 0795-82-6333 |
FAX番号 | 0795-82-7737 |
URL | https://www.tanba2005.co.jp/ |
info@tanba2005.co.jp | |
営業時間 | 8:30 ~ 17:00 |
定休・店休日 | 月曜日 |
サービス提供可能地域 | 全国 |
設立年月日 | 平成18年8月3日 |
資本金 | 1,300万円 |
許認可 | 食品衛生法の許可等:食肉処理業/食肉販売業/食品の冷凍又は冷蔵業/そうざい製造業/飲食店業<露店> 兵庫県食と安全安心と食育に関する条例:県認証食品認証 |
社名の由来 | 「姫」は小さいものの愛称で「もみじ」はシカの別称です。 |
概要 | 当時行政職員として長年農林業振興に従事し、駆除された鹿ほとんど全てを廃棄処分(土中埋設、焼却等)していた。市役所を退職後、鹿の有効活用を考えて事業化を決意する。 調査研究のため、シカの有効活用の先進地である北海道静内町の加工施設を視察し、解体・加工・熟成方法やシカ肉の供給と需要などについて学び、将来性のあることに確信が得られたので、本州で初となるシカ肉の専門加工施設を建設することとし「㈱丹波姫もみじ」を設立した。 (丹波市では、平成17年当時、毎年1500頭以上のシカを捕獲しその大半を土中埋設、一部事故死したシカは、民間に委託し焼却処分(1頭あたり約2万5千円の経費が必要)していた。土中埋設には、土地の確保や悪臭・水質汚染など周辺環境に悪影響を及ぼし、又、焼却処分には多額の費用が必要となる。) |
アクセスマップ
代表プロフィール
●柳川瀬正夫(やながわせ まさお) 昭和24年4月13日生
昭和45年6月 | 兵庫県氷上郡山南町役場に就職 |
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平成8年~平成16年10月 | 山南町役場 農林振興課長 |
平成16年11月1日 | 丹波市発足(氷上郡6町が合併)産業経済部長 |
平成17年6月30日 | 丹波市早期退職(産業経済部長) |
平成17年11月15日 | 丹波特産物発信機構設立(代表) |
平成18年8月3日 | 株式会社 丹波姫もみじ設立(代表取締役) |
平成27年4月17日 | 同敷地内に鹿加工組合丹波(鹿有効活用処理施設)が稼働。 同時に、鹿肉及び加工品の販売専門会社となる。 |
姫もみじのこだわり 安全・安心・安定(3A)の高品質な鹿肉提供
★徹底した衛生管理の鹿肉加工専門施設
★高度な熟成技術による高品質な鹿肉の提供(熟成温度と熟成時間)
★トレーサビリティ(個体番号)の実施
「捕獲日・捕獲者・捕獲場所・年齢・性別」等を記入して保存、その肝臓の1部を真空冷凍で3ケ年間保存
★商品は、真空冷凍で保管(安定供給)
★金属探知機による検査
★ひょうご鹿肉活用ガイドラインの遵守(兵庫県認証食品として認証・・・H23.11.2)
リンク集について
主に当社の提携先で商品開発や販売をしている会社や店舗を集めたリンク集のページです。
プレスリリース
丹波姫もみじの鹿肉は、さまざまな方面で利用されています。過去、いろいろなメディアにも取り上げられてきました。その中で新聞の記事をご紹介します。
■取材・掲載記事についてのお問い合わせ
株式会社丹波姫もみじ 広報担当:柳川瀬 正夫(やながわせ まさお)
〒669-3572兵庫県丹波市氷上町谷村1812-10
0795-82-6333
0795-82-7737
代表の思い 〈シカの「いのち」を丸々活かし地域を元気に〉
本州初の本格的なシカ肉加工施設
丹波姫もみじは、平成18年11月より本州初の本格的なシカ肉専門の会社としてスタートしました。シカを安全安心な肉として提供すること、又、食用肉以外に一頭丸ごと利活用することを目指して商品開発を行っている。
シカ肉は高タンパク、低カロリーで鉄分が多く機能性のある健康食としてスポーツ分野や肥満体の人々に注目されている。当社は、日本におけるシカ肉の食文化を醸成するため特に力を注いできた。創業当初よりシカ肉の高い品質と衛生管理にこだわり今も高い水準にあると自負している。
野山を駆け巡り、山野草を育てる
私は、もともとシカとの接点はありませんでした。ただ、若い頃から山野草を育てることに熱中し、そのために野山を駆けまわることは苦にならなかった。
氷上郡山南町は、江戸時代から薬草オウレン(黄連)栽培が盛んで、平成の時代にはオウレンを主としてセネガ、トウキ(当帰)という三大薬草の振興と地域の活性化を図るため「丹波漢方の里」づくり事業が進められていた。私は、ちょうどそのころに薬草振興の仕事に従事することとなり自然に生えている山野草の大部分が薬草ということを知りました。仕事で農家を回る日も多く、そのころから農家の人より「シカの害が急に増えた」ということを聞くようになり、丹波市の合併時(平成16年頃)には、シカによる農作物被害が甚大になっていた。
「いのち」を埋める「対策」に虚しさ
特に5月から夏場・秋場にかけて、朝方に町民からシカが山のふもとに設置された防獣網に掛っているとの連絡が入ると、現地に出向き、シカの確認をしたのちに関係者に連絡し駆除を行っていました。
農家は、シカから農作物を守るため防獣網(中古の養殖用のり網)を設置し防護をしています。シカは、のり網の塩分を舐めにやってくる、又、農作物を求めて里に出てきてシカの角がのり網に絡み暴れて危険な状態になります。朝方に町民から役場に「シカが山のふもとに設置された防獣網に掛っている。」との連絡が入ると、現地に出向き、シカの確認をしたのちに許可を持った猟師に安全に駆除をしてもらい1件落着します。捕獲したシカの後始末は、土中埋設か市の処理場(焼却施設)又は、民間業者に委託しコストをかけて焼却することになります。農作物被害の防止と駆除対策の結果、シカ捕獲後の処理が年々重荷となってきました。
合併の後始末をして退職、そして起業へ!
氷上郡6町(山南町、柏原町、氷上町、春日町、市島町、青垣町)の合併が決まり、平成16年11月1日の丹波市発足に向けて合併事務に繁忙の時期に、追い打ちをかけるように10月20日兵庫県全域に猛烈な被害を及ぼした台風23号は当地域にも甚大な被害を及ぼしました。丹波市の合併は11月1日に行なわれ産業経済部長の役職を拝命し台風被害対策と合併後の事務調整等に追われる毎日でした。合併のメリットは、当然合理化であり人員整理も含まれていました。
部長職であった私は、退職勧奨を行う立場にあったため、災害復旧事業と合併が一段落したら退職を決めていましたので平成17年6月30日に部長級15名の内12名が退職しました。
意気投合したふたりの協力者
退職後、最初に立ち上げたのは丹波特産物発進機構という小さな組織でした。機構は、(1)丹波地域の特産物を都会に発信する流通網の開拓と確保(2)特産物の研究・開発(3)新規事業による地域の活性化の3つの目的を目指すものです。丹波ブランドとして圧倒的な強みがあるにもかかわらず期待に応えられる商品の供給力不足でした。地域を牽引できるような特産品を開発したいという思いが強く、ふと思い出したのがシカです。当時、兵庫県下だけでも毎年3億円前後の農林業被害を起こし、さらに駆除したシカの処理にも行政負担や環境汚染など
リスクがついてまわっていました。シカを新たな丹波ブランドの特産品として有効活用出来れば、まさに一石二鳥やないか!そう思ったわけです。農林業の厄介者、有害獣として急浮上してきたシカは、ヨーロッパでは、ジビエ料理に欠かせない高級食材として扱われております。当地域においても、イノシシに次ぐジビエ料理の食材として普及できれば地域ブランドとして活性化が期待されます。
異分野に居ながら意気投合した深田晋三さん、前川進吉さんとともに株式会社丹波姫もみじを平成18年度に立ち上げました。
本州発!の優位性と落とし穴
当時、国内では、北海道にエゾシカを解体し食肉加工する施設があり、一番近代的で衛生管理の施設を視察し勉強をしました。ところがエゾジカ解体施設やノウハウをすぐに丹波地域に適用できたわけではありません。最初から試行錯誤の連続でした。当時、シカによる農林業被害は全国的に拡大し、広く社会的に問題化しつつあった時代で、追い風の中の船出でもあったのです。本州初の取り組みとしてマスコミにも取り上げられ、全国の自治体からの問い合わせ等があり一年で500名以上が視察に訪れました。
ところが経営においては、エゾジカとホンシュウジカ(丹波のシカ)との違いが想像以上で想定外の苦労を味わうことになります。
実は、エゾジカは小さくても子牛のような巨体なのに対して、丹波地域のシカは、大きくても子牛ほどです。しかも、ト体における肉質の悪い部分を除いて、食肉として扱えるのは体重の3分の1以下。1頭捌いても手間の割に肉の量が少なくて3分の2が産業廃棄物としてお金を支払うことになるのですから大赤字です。鹿肉の単価は、必然的に高くなるため販売にも大きく影響をしました。
販路拡大の工夫
シカ肉加工施設が稼働を始めたのは平成18年11月。ちょうど狩猟期ですので、それから3月まで猟師たちがシカをどんどん持ち込んでくれました。私たちは受け入れの基準を示して品質の良いシカだけを買い取って肉に加工することができましたが、たちまち商品保管庫(冷凍庫)がいっぱいになりました。
今度は肉の販路の問題です。一番の誤算は地元丹波でサッパリ売れなかったことです。田舎ほどシカ肉の評判が悪いことを体験しました。お金を出してまでと言う状況で特に単価が高いことも一要因でした。
結局、地元で売ることは諦めて京阪神に販路を求め営業活動を行ってきました。当初は「シカ肉は硬い、臭い」というイメージが強かったので試食会を開催し、シカ肉の特性と料理次第で美味しく食べられることを紹介、又、健康食材として優れていることを発信するなどイメージの刷新と食文化の醸成に力を入れました。
その効果もあって、徐々にシカ肉を使うレストランなども増えてきました。特に、都会では先入観なく受け入れてくれる人が多かったです。
又、生肉以外の商品化にも力を入れ、三田牛ブランドの㈱三田屋総本家と提携(協力を得て)してシカ肉のハムやソーセージ、鹿カレー、鹿コロッケといった新商品を開発し、イベントで共同販売を展開するなど徐々に販売網も広がってきました。
1頭の約50%を有効活用に
平成26年4月から、シカ肉の加工業務は「鹿加工組合丹波」に移行しました。組合は、兵庫県猟友会丹波支部、株式会社EGサイクル(ペットフード加工販売)、株式会社丹波姫もみじの三者から構成されています。組合は、シカの受け入れ、解体、精肉を一括して行い、丹波姫もみじは、組合から精肉(食肉区部位)全てを買い取り、その肉の販売と加工食品の販売に特化しています。又、EGサイクルは、非食用肉等ドッグフードになる部位全て買い取り加工等をし販売を行っています。
組合の解体施設では、持ち込まれたシカを食肉用と非食肉用に分別し、食用肉は食肉部位と非食肉部位に解体されます。非食肉部位の内、肉や骨、内臓等利用可能なもの全てはペットフードに回しそれ以外は廃棄となります。皮と角の商品試作も行っており、現在、産業廃棄物とされるのは頭部と一部の骨、内臓、皮等50%~60%となっています。
まだまだ決して十分とはいえませんが現在では、1頭のシカの40~50%を有効活用する事が出来るようになりましたが、有害駆除されるシカを丸ごと一頭を資源として「活かす」という起業時の思いに一歩近づくここができました。
自然とうまく共生して、地域が元気になればいい
振り返れば、挫折につぐ挫折でしたが多くの皆さんのご協力でここまで持ちこたえてきました。事業を通じて地域が元気になればという思いで始めこれまで協力してくれた人々や地域の活性化を思ったら簡単に放りだすことは出来ないのです。特に中山間地域では、シカやイノシシの農作物被害で地域農業が元気を無くしています。だからこそ、この事業を通じて有害獣のシカが特産品というプラス商品に変わる。そして、自然とうまく共存して地域が元気になるそんな強い思いが今日に至っている。